保管時が他の衣服に比べて長い和服、季節の変わり目に押し入れに保管されるふとん。いずれもていねいな扱いによって長く愛用できることになります。それぞれの保管のポイントをお教えします。


和服は着用するよりも保管されている時間がずっと長いものです。それだけに保管には注意が必要。収納は昔ながらの桐ダンスに越したことはないのですが、それが無理なら桐の箱に入れるようにしたいものです。もちろん、和服をそのまま収納するのではなく、きちんとたとう紙で包むことはお忘れなく。


和服に用いる防虫剤は、やはり昔ながらの樟脳を。ピレスロイド系でも大丈夫ですが、ナフタリンやパラジクロルベンゼンは避けましょう。和服には金箔・銀箔が使われているものがありますが、ナフタリンやパラジクロルベンゼンはこうした装飾を変色させてしまうことがあるからです。なお、防虫剤はたとう紙の上に置くようにしましょう。


帯は長いものだけに、しまう時はどうしても折り重ねる必要があります。そのため折り目がついて、いためてしまうことも。これを避けるためにはラップやホイルの芯、あるいはタオルなどを折り目にはさめばOK。また、防虫剤は帯に直接ふれないようにして下さい。


季節の変わり目には掛けぶとんや毛布の入れ替えをすると思います。次のシーズンに出番が来るまではふとんを保管するわけですが、その時は必ずクリーニングに出して清潔にした上でしまうようにして下さい。ダニやカビの被害はこれでだいたいくい止めることができます。


ふとんの保管場所ですが、ほとんどの家庭は押し入れですね。押し入れには上段と下段がありますが、ふとんの保管に適しているのは上段。なぜなら上段よりも下段のほうが、カビやダニの大好きな湿気がたまりやすいからです。下段にしまうのは、湿気に強いマットレスにしておいたほうが無難です。